2006年10月02日

最近読んだ本

 買うだけではない。ちゃんと読んでます。

tv_no_ougonjidai.jpg

 @「テレビの黄金時代」 小林信彦 (文藝春秋 ISBN4-16-359020-X)
 A「ちんちん電車」 獅子文六 (河出文庫 ISBN4-309-40789-7)

 @は以前神保町で見つけた一冊。以前からテレビの黎明期について知りたいと思っていたので、この本はうってつけだった。戦前戦後の映画業界、最近で言えばゲーム業界などもそうだと思うが、テレビ業界もその黎明期には本当に才能のある人物たちが集まり、知恵を絞り、プロデューサー、コント作家、そしてもちろん出演者たちが、大変な情熱を注いで作り上げられていたのだということが良く分かった。また逆説的ではあるが、この本を読むと今のテレビ、特にバラエティーのつまらなさというのが如実に浮かび上がってくる。今のテレビ局など、いい作品を作るよりも、スポンサーの顔色を伺い、視聴率を稼ぐことに精一杯なわけだが、つまりこれは大きくなりすぎたものは動きが愚鈍になるし、何でも簡単に済まそうとしてしまう、ということではないだろうか。もちろん、これは別にテレビ業界に限ったことではないが。

 Aは獅子文六の晩年のエッセイで、廃止寸前で当時でさえもはやレトロ感覚であっただろう都電に対する愛情溢れる作品。幼少のみぎりから慶応義塾の寄宿舎で育った生粋の町っ子である著者が、品川から上野、そして浅草まで、ちんちん電車に揺られながらかつての街並み、懐かしい味などを綴る。ただしその文体は、消え行くものへの追悼というよりは、とても生き生きと書いているので、変にしみったれていないところがいい。ところで、以前は邪魔者扱いされ、次々と廃止に追いやられた路面電車が、最近、特にエコロジカルな面で見直され、何でも池袋辺りで復活が検討されているらしいが、この事実を著者はどう思うのだろうか。一度無くならないとそのありがたみが分からないなんて、何だか情けない話しである。


posted by たけ at 00:39| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。